水鉢とは?

水鉢はその名の通り水の鉢です。

墓石正面に花立・香炉・そして花立の間には水鉢が多くの墓石には付属されているはずです。

水鉢

水鉢と呼ばれる部材の天面には5㎜位の深さのくぼみが出来ています。

ここは仏様にお供えする水を入れる場所となります。

大事なことなのでもう一度言います。

ここは仏様にお供えする水を入れる場所となります。

仏様のお供え物として次の五つのお供物を五供(ごく)と言います。

水鉢の役目は五供の内の一つ浄水

五供はそのものズバリつのお物を指します

仏様は良い香を食すと考えられています。

又、お参りする者の身を清め、良いお香りで心穏やかにする役目もあります。

墓前に飾る花は生花を用います。

生花は生きている花のことをいい、造花ではなく生花が望ましいです。

生花には仏様に姿・香で楽しんでいただくことはもちろん、供えた者の心を清く穏やかにする作用もあります。

灯燭

灯燭(ローソクなどで灯す)は暗闇を明るく照らす光の役割です。

お参りする者の心に潜む煩悩を取り除き、明るい光を得ることにより悟りを得ることが出来ると考えられています。

家の仏壇ではローソクを灯しますが、墓前に灯籠が有る場合は実際に火を灯さなくてもその役割を果たします。

浄水

仏様は綺麗な水が好物です。

水鉢のくぼみを綺麗に掃除し綺麗な水を差し上げるのが大切な供養です。

又、水鉢に張った水が水鏡となり水面にご先祖様の姿を映し出すとされています。

飲食

いんしょくではなく「おんじき」と読みます。現世の家族と同じ食事をご先祖様にも食べていただくように盛ります。

御先祖様のおかげで現世の我々が、おいしい食事を採る事が出来る有難みをかみしめ感謝します。

水鉢でよくある間違った使い方

茶碗を置く場所

割と多くの方が勘違いしているのが

このくぼみはお茶碗を置くスペース

と思っているようです。

本来はこのくぼみに水を張り仏様の飲み物となるわけですからお茶碗などはおく必要は無いわけです。

水ではなくジュース

いくら故人が好きだったからといってジュースやお酒は絶対に入れてはダメです。

ジュースやお酒には糖分が多く含まれていますので蟻が大量に寄ってきますし、石の変色やシミの原因にもなります。

線香置き

これも意外と多いのですが水鉢を線香入れだと思い込んでいる方が意外と多いようです。

水鉢本来の使い方を全く間違えていますし、焦げや線香ヤニなど付着し綺麗にすることが困難になります。

水鉢には雨水も溜まりますので長い間放置していると汚れが目立つ場所になります。

水鉢を汚さないよう小まめにお墓参りすることを心掛ける役目もあります。

水鉢のもう一つの役目

水鉢は仏様にお供えする為の部材であると同時に納骨室の蓋の役目もあります。

関東地方の方はあまりご存じないかもしれませんが、関東地区以外ではこの水鉢をどかすと納骨室の入口が出てくるお墓もあります。

関東では納骨室が地下カロート方式が昔から一般的です。

石屋が拝石をどかしカロート内にもぐりこみ遺骨を納骨します。

それに対し関西などの一部では

カロート関西

水鉢をずらすと穴が開いており、そこから手を伸ばして遺骨を入れます。

その為関西型のお墓の特徴として水鉢は長方形でそれに合わせ花立の高さも関東とは比べ物にならないほど大きいです。

このように同じ日本のお墓でも地方によって納骨の仕方が全く違いお墓の造りも異なっています。

水鉢には水を入れる鉢の役目と納骨室の蓋の役目もあります。

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